大学院 精神看護学領域Graduate School of Mental Health Nursing

大学院 精神看護学領域

本学の大学院看護学研究科修士課程は2012年に開設され、精神看護学領域は1期生からほぼ毎年入学生を迎えることができました。修了生は40名を超えており、福島県内はもとより、岩手、宮城、山形、栃木といった近県や、長野、福岡と少し距離のあるところでも活躍されています。精神看護専門看護師(CNS)の資格を取った人も10名を超えようとしていますし、看護部長や訪問看護ステーションの所長など管理職になった人も増えています。

大学院で知り合った同級生、先輩、後輩、教員らと築いたネットワークは、かけがえのない宝物だと、みんなが口にしています。皆さんもぜひ大学院の門戸をたたき「チーム精神看護」のメンバーに加わって下さい。
お問い合わせは大川まで…(ohkawa@fmu.ac.jp)

大学院生の声

  • 磯上茜

    看護学研究科精神看護学領域CNSコース1年

    磯上 茜

    「行きたかった大学院に進学して」

    入学をしてから半年があっという間に過ぎてしまいました。大学生時代と違う雰囲気でしたが、自分で学びディスカッションする講義はとても有意義で楽しい時間だと実感しています。

    私は狭義の精神科CNSを目指しています。改めて薬理学や生化学を学び、四苦八苦しています。しかし、精神科の大きな治療の一つである薬の理解を深めるためには必要な知識ですし、多職種との関わりでも必要だと思っています。また、精神科でのアセスメントに必要な知識を改めて学び直したり、新たな理論を学んだり、今とても楽しく学んでいます。

    これから実習や、介入を伴う事例研究に向けて本格的に始動していくので、自分の精神衛生を第一にしつつも、実りある学生生活にしたいと思っています。

  • 看護学研究科精神看護学領域研究コース2年

    金田 須美枝

    「大学院での学び」

    看護師のメンタルヘルスに関心があり、深く学びたいと大学院に入学しました。入学の2カ月前に精神科に異動し、精神科での看護をスタートすることになりました。精神科での看護は素人で、何をすることが看護なのか正直わからない状態でした。

    精神看護学領域の授業で学んでいることと、日々関わる患者さんの状態がリンクし、学んだことを取り入れ、実践してみると、患者さんの状態が変化していくことがわかりました。授業の中で、患者さんの情報を整理し、アセスメントを行い、プレゼンテーションし、ディスカッションします。そうすることで、関わり方、必要な看護が見えてきました。

    学びながら、学んだ知識を活かし、看護実践ができる環境は、楽しく、充実しています。様々な人々と出逢い、看護について語ることができることにも感謝しています。今後も楽しく、多くを学んでいきたいと思います。

修了生の活躍

  • 山形県立こころの医療センター

    佐藤 充

    佐藤 充

    「私を支えてくれた福島」

    私は福島で過ごした2年間の経験を非常に大切にしています。先生方や仲間達とのディスカッションでは「そういう考えもあるのか」と視野が広がり、先生方が引き合わせてくれた先輩CNSの方々からはたくさんの刺激をもらい、学ぶことに貪欲になりました。さらには、「失敗すること」「つまずくこと」から立ち上がる精神力を培いました。それもこれも立ち上がることを上手に支えてくれる先生方や仲間達がいたからだと思います。修了の際には「やるかやらないか」ではなく、「やるかすごくやるか」の思考を身に付けることができました。

    現在、私は山形県立こころの医療センターで狭義のCNSをしています。CNSを目指す動機づけが「CNSって夜勤しなくても良いらしいよ」というただの思い込みでしたが、今では楽しく3交替をしています。”困った時のCNS”といった存在になれるように今後も励んでいきたいと思います。

  • 大崎市民病院

    佐藤 このみ

    佐藤 このみ

    「せん妄ケアについてもっと知りたい!学びたい!」

    精神科病院で経験のない私が、患者さんにもっと寄り添う看護ができるようになるためには・・・と悩んだ末に叩いたのが精神看護の門でした。それまでは救急看護領域を中心に経験を積んでいたので、見るもの、触れるもの、出会う人、すべてが新鮮で学びの多かった大学院生活でした。「あなたの力にならせてください」と私はよく患者さんに声がけするのですが、それは修士課程で学んだ〝患者さんの力になり続ける〟という学びが活きているのだと思います。私の看護の根っこを作ってもらいました。

    そんな私も、もうすぐリエゾンナースとしての経験が一般科での経験を上回ろうとしています。まだまだ「精神科の経験がないので・・・」と言いたくなる状況は沢山ありますが、経験豊富な「チーム精神看護」の仲間にも支えてもらいながら、患者さんの身体と心を繋ぐサポートをさせていただいています。

  • 飯塚病院

    明間 正人

    明間 正人

    「笑顔のために」

    私は、働きながらの長期履修制度を用いて3年で修了するところを、東日本大震災を経験したため特例で1年延長。修了後にCNSを志し、科目履修生としてさらに2年追加。合計6年の大学院生活となりました。

    今も昔も変わらないのが「患者さんの笑顔が見たい」ことなのですが、単純な笑顔ではなく、何かを乗り越えたときの笑顔がたまらないのです。この笑顔を見るためには、経験だけではなく知識や技術が必要です。この笑顔を見る機会が増えたのは、大学院で知識や技術を学んだからだと思います。あたりまえですが、優しいだけでは救えない人が大勢います。

    現在は看護部長という職位に加え、日本精神科看護協会福島県支部で支部長をさせていただいています。自分の病院や、ひょっとしたら福島県をフィールドに、少しでも笑顔を増やせるように貢献できればいいなぁと思っています。
    少しでも共感できる方、仲間になりましょう!

  • 相馬広域こころのケアセンターなごみ

    米倉 一磨

    米倉 一磨

    「大学院と仲間」

    私は、大学院は働きながら通う長期履修制度を利用して3年間で修了しました。毎週往復120キロの山道を主にバイクで通い、突然大雪がふり自分が雪だるまになり凍えそうになったこともありました。無事修了し、いつもの日常に戻りほっとしたのも束の間、福島第一原子力発電所が起こり勤務先の病院が休止になったのです。一時避難をした後、仕事もないので、福島県立医科大学心のケアチームのボランティアをしようと行った先には、たまたま大学院の教員でもあった恩師の大川先生やチーム精神の仲間と出会ったのです。

    誰も経験したことのない中長期の震災支援。次々と支援者が撤退する中、困った時には、チーム精神が駆け付けてもらい乗りきることができました。

    今振り返ると大学院とは、困ったときに助けてくれる信頼できる仲間との出会い、そしてどんな時でも柔軟に対応できる思考力という2つの大事な宝物をもらったのではないかと思っています。

  • 岩手医科大学看護学部

    遠藤 太

    遠藤 太

    「チーム精神看護、福島への思い」

    私は平成15年、福島県立医科大学大学院看護学研究科(精神看護学領域)修士課程に第6号生として入学し、晴れてチーム精神看護の一員となりました。17年に卒業し、その後専門看護師(CNS)コースの科目履修を1年かけて学びました。すぐCNSとして臨床に戻ることも考えましたが、当時の指導教員の中山洋子教授より、「修行が足りない」と言われて大学の助教として3年間残らせていただくことになりました。そこから、現在まで10年以上大学教育に携わることができております。

    思えば、その3年間に指導していただいた中山先生、大川貴子先生等尊敬できる先生たちに出会い、大学院の多くの仲間と出会って、それを基盤に今の自分がいるんだなあとしみじみ感じる毎日です。まあ、いつもバタバタと大変な日々はあの頃と同じですが。

    現在は同じ東北でも遠く岩手県在住ですが、節目を見て福島へ戻り、生まれ故郷の地域精神看護に微力ながら貢献できたらいいなと思っています。

修士論文一覧

精神看護学領域の教員が主指導となった修士論文を掲載しています。

  • 2022年

    男性発達障害者の家族形成で直面する困難とそれに対する向き合い方-当事者の語りからの分析-

  • 2022年

    精神科急性期治療病棟における統合失調症患者のリカバリー支援-コンコーダンス・スキルを用いた看護面接を通して-

  • 2022年

    精神科病棟における自閉スペクトラム症者のこだわり行動に対する看護師の対応

  • 2020年

    地域で生活する統合失調症患者へのコンコーダンス・スキルを用いた支援の検討

  • 2020年

    精神疾患を持つ女性が周産期に抱える困難と求める支援-当事者の語りからの分析-

  • 2019年

    重度の統合失調症患者の地域生活維持に向けた訪問看護師の支援

  • 2019年

    地域で生活する境界性パーソナリティ障害患者のセルフケア能力の向上にむけた精神科訪問看護師の支援

  • 2019年

    精神科慢性期病棟における多飲症・水中毒患者への「申告飲水」導入に関する課題

  • 2018年

    自殺未遂患者に対応する救命救急センター看護師の態度に変容をもたらす教育プログラム実施の試み

  • 2018年

    精神科アウトリーチチームの支援を拒否する精神障害者に対する関わり

  • 2015年

    再入院となった統合失調症患者に対するグループの展開-疾病認識と生活対処行動の主観的認識の変化を目指して-

  • 2015年

    ICUでせん妄を発症した患者の活動レベルを維持するためのケアの検討

  • 2015年

    精神科デイケアにおいて当事者同士で語り合うグループに参加することの意義と難しさ

  • 2014年

    一般病棟における身体拘束解除までのプロセス-看護師の判断に焦点をあてて-

  • 2014年

    精神科救急病棟における統合失調症患者に対する退院前訪問の地域移行に向けた活用方法の検討

  • 2014年

    認知症患者から攻撃的行動を受けた看護師の対応

  • 2014年

    精神科急性期病棟において初回の医療保護入院となった患者の家族が必要とする支援のあり方の検討

  • 2013年

    福島県の精神科長期在院患者に対する看護職の地域移行に向けての看護活動の実態と関連要因の検討

  • 2013年

    統合失調症に糖尿病を合併している患者への個別的な糖尿病自己管理支援の検討

  • 2013年

    高齢患者の入院生活の中での「遠慮」に関する検討

  • 2012年

    身体疾患を合併した統合失調症患者の周手術期における健康状態のアセスメント方法の検討

  • 2012年

    精神科中堅看護師が患者との関わりの技術を高めるための学びなおしプログラムの実施

  • 2012年

    統合失調症患者のストレングスに焦点を当てた事例検討 精神科看護師の発想を変える試み

  • 2012年

    がんによる死に至った長期入院の統合失調症患者の思いを尊重したケアの検討

  • 2012年

    地域で単身生活をしている統合失調症患者の精神科訪問看護の受け止め方

  • 2012年

    長期在院患者の退院支援に取り組んでいる精神科病院の組織風土と看護職員の意識の変化

  • 2011年

    頓用薬使用に関わる精神科看護師の判断とケア 慢性統合失調症患者への対応に焦点を当てて

  • 2010年

    うつ病患者の回復過程におけるセルフケア拡大のためのアセスメント方法の検討

  • 2010年

    地域で生活する精神障害者の社会化と訪問看護師の働きかけ

  • 2010年

    長期在院統合失調症患者に対する服薬自己管理プログラムの実施とプロセスの評価-セルフケア能力の向上をめざして-

  • 2010年

    福島県の病院併設型精神科デイケアにおける長期利用者の状況把握

  • 2009年

    注意欠陥/多動性障害をもつ母親の子育て体験

  • 2009年

    統合失調症患者に対する漸進的筋弛緩法の適用可能性の検討

  • 2008年

    統合失調症患者と同居する家族の生活体験

  • 2008年

    排泄の自立を失った状態からの回復過程と気持ちの変化-脳血管疾患患者の体験-

  • 2007年

    長期在院統合失調症患者に対する服薬自己管理プログラムの作製と評価

  • 2007年

    看護師の子育てをしながら仕事を継続していく意思を支えるもの

  • 2007年

    境界性人格障害患者の治療枠組みと看護師の役割

  • 2007年

    長期在院患者が退院できた要因 何をきっかけに本人は退院に踏み切ったのか

  • 2006年

    精神科急性期治療病棟における統合失調症患者の再入院体験とケアのあり方についての検討

  • 2006年

    中高年女性うつ病患者の退院後の過ごし方と家族の期待

  • 2006年

    看護師が苦手とする患者に対して提供する看護ケアの質

  • 2005年

    精神障害者の治療場面における自己決定とそれを支える看護

  • 2004年

    精神科急性期病棟における暴力の危険性の察知と看護師の臨床判断

  • 2004年

    家族介護者が受けとめた訪問看護と家族支援のあり方の検討

  • 2004年

    精神疾患に身体疾患を府合併した患者をケアする一般科病棟看護師が直面する困難と必要とするサポート

  • 2003年

    精神科閉鎖病棟における患者から看護師への暴力の実態とサポート体制

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